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遺産分割による贈与?交換

以前勤めていた事務所で同僚だった司法書士先生と電話。
相続登記で登記原因を検討中だとのこと。なんでも「遺産分割による贈与」関係らしい。

一応、相続登記はかなりの件数の手続きをしてきたつもりですが、通常の登記原因は「年月日相続」が圧倒的に多く私も一度だけ「遺産分割による贈与」に出会ったことがあるぐらいで、その時も受験時代か何かに頭の片隅でどこかで聞いた記憶がある程度で、その時は色々?苦しみました。

「遺産分割による贈与」とは、相続人全員で遺産分割協議をして相続人の一人が遺産(不動産)を取得した代わりに、他の相続人に対して自己の不動産を贈与する場合の登記原因である(登記研究528-184)。自己の金銭を代償として支払う場合にもこれに当てはまる。

ちなみに似た原因では、登記申請して却下され、最高裁判所まで裁判したものがある。
これは、遺産分割協議で相続人の一人が遺産(不動産)を取得した代償として、他の相続人に対して自己の不動産を譲渡する場合には、登記原因「遺産分割による代償譲渡」としたもので、平成20年12月11日の最高裁判決で認められましたが、平成21年3月13日民事局の通達(民二645)で登記実務上は否定されて登記申請は受理されません。

また、登記原因で税金がかなり変わってきて、登録免許税は相続だと課税価格に対して1000分の4なのに、遺産分割による贈与だと1000分の20になってしまい。
その他に遺産分割による贈与で不動産を取得すると不動産取得税も相続と違いかかり、譲渡所得税がかかる見解もあるみたいです。

他にも遺産分割による交換という原因もあり、元同僚だった先生も大変そうでした。
私も久々にこの原因を思い出して勉強しました。