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自分で過払い金請求をする

たまに自分で過払い金請求をするので利息制限法の引き直し計算だけしてもらえないか?という問い合わせがきます。

当事務所では計算だけはお断りしています。
なぜかというと債務整理手続き(過払い金返還請求を含む)はあくまでも生活の改善のためにやるのであって、過払いだけ取り戻せばよいというものではありません。

ご自身で請求するメリットとしては、弁護士、司法書士報酬がかからないことがあげられます。
デメリットとしては、
①業者から過払い金返還の割合を下げられられる。中にはたくさんの過払い金があるのに、お互い債権債務なしの0和解をさせられた人もいます。
②業者は銀行のローンに対して保証もしており、サラ金業者だけは完済しているので過払い金返還請求したら銀行の借金の保証分が出てきてとんでもないことになってしまった。
ex三菱東京UFJ銀行→アコムが保証 
 三井住友銀行→プロミスが保証
 みずほ銀行→オリエントコーポレーションが保証等
③信販会社(クレジットカード)の過払い金返還請求をしたら立て替え払い(ショッピング)もできなくなり信用情報機関(ブラックリスト)に登録されてしまい、今まで貯めていたポイントも無くなってしまった。
④過払いだけではなく、借金がある業者も含めて債務整理をしていれば借金の解決がとっくにできていたはずなのに自分で過払いだけ請求してしまい借金は残り返済ができない。→相談を受けているとこのケースの方が割と多くいます。
⑤過払いだけではなく、借金がある業者も含めて破産手続きをするべきなのに自分で過払いだけ請求してしまい過払いを使い終わった後破産手続きをする。→過払い請求をする時に客観的に見て破産状態なら過払いは財産であり、破産手続きで大変なことになります。

だいたい以上のデメリットがあげられます。


債務整理を病気でたとえるのなら、腹が痛いと下痢止めを飲んで一時しのぎをしても最初に腹が痛い時に病院で全体の検査をしていれば簡単に病気が治ったのに、一時しのぎをしすぎて手遅れになることもあります。

もちろん借金は一切なく、過払い金請求だけを自分でやるのならそれは良いと思います。ただそのことを面談をして確かめる責任が資格者にはあります。
ということで自分で過払い金請求することは勧められません。


弁護士、司法書士報酬も今は会で上限が定められていますので、そんなに心配する必要はないと思います。